こんにちは。
アダルトチルドレン専門セラピスト 林 志のぶです。
今回は、私の祖父のエピソードを交えて、感じたことについてお伝えします。
親戚の問題で鬱のように消耗していく祖父
私の祖父は、気前がよく面倒見がよく、本当に人が大好きな人でした。
よく悩み相談を受けるような人で、親戚、友人、仲人をしたご夫婦などが、
何か事が起きると祖父を頼り、わが家に駆け込んできている姿を小学生の頃の私は見聞きしていました。
ある時、遠い親戚の問題でちょっと困ったことに巻き込まれ、誠意が通じず、どうしようもない事態になってしまいました。
あんなに人が好きで、面倒見の良かった祖父が「あの人とはもう縁を切ろう」とまで言い出し、
その後、祖父は悩みすぎて鬱っぽくなってしまったことを覚えています。
誠意の通じない、”わけのわからない人”と付き合うことでどんどん消耗していく祖父の姿を見て、
当時の私は「わけのわからない人が、わけのわからない問題を持ち込んで、祖父を困らせている」
そんな印象をもったようでした。
アダルトチルドレンの偏った考え方を見て
ここ最近、私はその祖父と同じ気持ちになっているのではないかと気づいたことがありました。
私が悩み相談を受ける人たちは、アダルトチルドレンを自覚されています。
感情の起伏が激しく、穏やかではいられず、自分では有り余る負の感情をコントロールできなくて困っています。
みんなある意味で、”わけがわからなくなっている人”なんですよね(笑)
いつまでも、どうでもいいところにこだわったり、嫌な出来事をずっと反芻しやすかったり、
なんでそうでそうなるの?というねじ曲がった偏った考え方を持っていたり。
そこから感じるのは、あの頃、祖父が見ていた景色と同じ景色を今の私が見ているのではないか・・・。ということでした。
そして当時の祖父と同じ気持ちに今の私もなっているのではないか?と。
無意識のうちに無力感を抱えた私の本音
正直に告白します・・・
私はなんと、心のどこかで「クライアントが来ないほうがいい」と思っていたのです。
本当はクライアントに来てもらいたいのに、お役に立ちたいのに、会いたくない自分もいる。
それはどういうことかというと、大変なことを抱えたクライアントが私の目の前にいらっしゃることによって
「私には対応できないかもしれない」という無力感を、無意識のうちにもってしまっていたからです。
本当は対応できる技術をすでに身に着けており、問題ないのにも関わらず、です。
こういう理由でその人はわけがわからなくなっただけなのだ、とちゃんと解明できる私に今はなっているのに、
なぜか無意識にクライアントと会うのを怖いと思っていたのでした。
無念だった祖父の思いをいつの間にか、私は引き継いでいたのかもしれません。
だからこそ、私が母との確執を経て、
「恵まれた家庭で育ったのに、自分の感情が不安定すぎて、自分がわからなさ過ぎて、生きづらい・・・」
と悩んで、右往左往しながら、様々な心理学を学び、実践し、わけのわからない自分を、
わけがわかるように解明して、感情を安定させ、
ついに穏やかな毎日を手に入れたという物語が生まれたのかもしれません。
仕事を通じて感じられた祖父の思い
そして、その過程で得た知見を、今まさに昔の私のように「わけがわからない」と右往左往しながら
困っている人たちの役に立てることができる喜びを噛みしめていられるのは、とても幸せなことです。
ふと、クライアントと会う前の自分の無意識の抵抗に気が付いた時、その源流をたどっていったら、
ある意味私がこのお仕事をやらせていただくことで、あの時かなわなかった、
祖父が知りたかった”人の心の仕組み”も幾分読み解けるようになって、
祖父の想いも成仏させてあげることができたのかな・・・?と思いを馳せました。
今の私の活動も、私一人でやっているわけではないかもしれない・・・
無意識に祖父の思いを引き継いでいるのかもしれない・・・
そこに気づいた瞬間、鳥肌が立ちました。
ちゃんと水面下では、先祖とも繋がって今の私が生かされているのだな、と感じます。
天命とは三代かかって成就するものなのかもしれませんね。
喜んで心を込めて、あなたと一緒にお仕事させていただきますよ!
アダルトチルドレン専門セラピスト
林 志のぶ