こんにちは。
アダルトチルドレン専門セラピスト 林 志のぶです。
アダルトチルドレンには「助けて」が言えない人が多いですね。
今日ご紹介するのは、数年間うつ病を患い、私のところにいらしたクライアントの事例です。(わかりやすく脚色しています)
バリキャリOLの突然のメンタル不調のワケは?
それまで大きな会社でバリバリお仕事をされていたのですが、うつ病が悪化し、しばらく休職することになりました。
職業柄、メンタルが原因で休職することはキャリアに大きな影響が出るそうで、そういったところでも悩まれていました。
芯出しをやりながら、インナーチャイルド達の困ったヘリクツを明かしていくにつれわかったことは、
はたから見ると“おかしな環境”で育っていた方でした。
どんなおかしな環境かというと・・・
- 母親は精神を病み、ネグレクト状態。
- 日常的な面倒をほとんどみてもらえなかった。
- 小学生のとき、料理や炊事は自分なりにこなすことを覚えた。
- でも家の中はいつもゴミが散らかっていて寛げなかった。
- 仕事一筋の父親はその甲斐もあってか、お金持ち。
- 小遣いは困らなかったし、進学などはお金がかかっても行きたいところに行かせてもらえた。
というわけで、家では親にあまりかまってもらえずとてもさみしかったので、学校で居場所を作ろうと必死になりました。
学校で、ちやほやされる&人気者になるためには、
「勉強やスポーツで目立つしかない!」とずっとトップクラスの成績をおさめてこられたそうです。
そして大学院を卒業後、上場企業へ就職し、エリートへの道が開かれ、頑張り続けたのに、ある時点で挫折。
産業医から紹介された心療内科を受診し、うつ病で休職となりました。
ネグレクトな家庭環境でもサバイブしてきた“いい子ちゃんタイプ”のアダルトチルドレン
以前にもお伝えしましたが、アダルトチルドレンには努力家が多いのです。
だから、一人でそこそこ解決できてしまう。
自分さえがんばれば、何とかなってしまう。
その必勝パターンだけを繰り返してきてしまいます。
この方もまさにその一人で、幼い頃から自分で自分をコントロールして育ててきたところがあるのですよね。
本当に立派なことです。
育った環境についてあまり人に知られることはしたくなかったし、
汚れきった家に友達が遊びに来ることなんて絶対に変に思われて嫌だったから、1回も友達を家に呼んだことはなかった。
ばれたらまずい。
そう思いながら、家庭環境のことをひたすら隠してきた。
そのうち、それが当たり前すぎて、よくわからなくなってしまう。
でもお話していくうちに、育った家庭のことを、
「その環境は普通じゃない、おかしいですよ。大変だったでしょう?よく頑張ってきましたね。」と私に言われて初めて、
「私って過酷な環境で生きてきたサバイバーだったんだ・・・」と、やっと気づいてくれました。
この方も、すでに10歳になるころには「スーパー小学生」でしたからね。
見事な“いい子ちゃんタイプ”のサバイバーです。
そして、そのおかしな環境だったことを客観的に受け入れて「自分って大変だったんだ」という苦労を、
しみじみと認めることができたのです。
限界を超えたとき、体は病気を発症してサインを送ります
大人が「助けて」と言えないとき、体が悲鳴をあげて、まず動かなくなります。
そして、次に心が凍り付いたように、もしくは死んでいくかのように平たんになって、うつ病を発症します。
そうすれば、ようやく社会人としての「大義名分」ができあがり、「休んでもいい」口実ができあがるのです。
そこまでしないと、「本音」がわからなくなっているのです。
例えば心と体の声を日頃から聞けている人は、
「どうも調子が上がらないから、今日はこれまでにして早く帰って寝よう。
また明日、体調が復活してから頑張ればいいや」と切り替えて残業を断って帰ることができます。
体の「助けて」をちゃんと聞けているからです。
そういった人は、さらに、
「今日は調子が悪いので早く帰ります。この分の埋め合わせはこのスケジュールでやり切る予定です。よろしく頼みます」
などと人間関係にも根回しをして、孤立しないように配慮できる人でもあります。
孤立を避けることができれば、心が病むリスクも少なくなります。
ですが、「期待に応えないと見捨てられる」という恐怖心が強く、
心と体の声を聞く習慣がないアダルトチルドレンは、
自分の体にムチ打って、能力や体力以上に頑張り続けてしまって、
結果として心も体も燃え尽きるところまで行ってしまうのです。
弱音を吐き出してもいいのです。
私たち一人一人には、生きる力が備わっています。
たまたま幼い頃から自分で自分をうまくコントロールでき、早くにで親を見限り、
自分なりに努力を積み上げ、成績をあげたり、スポーツで認められたり、
望む会社に勤めてまっとうな人生にすることもできますが、
大人になってから、行くところまで行って、その先で心がとうとう疲れてしまうという事例がたくさんあります。
あなたの周りでも、そういった燃え尽き症候群の人の話を見聞きしたことがあるでしょう。
でも、本当に辛かったら子供の時でも助けてくれる大人のところに逃げたっていい。
「助けて!」と弱音を吐き出してもいいのです。
そのためにも私は、アダルトチルドレンの心の専門家として、
わかりづらいインナーチャイルドの「助けて」までをも拾い上げ、
根本から解決できるこの手法を広めていきたいです。
さらに、子供たちが気持ちをため込まずに、「助けて」と言えて、
それを真剣に受け止める大人が社会のあちこちにいるような環境を整えることが私の使命だと感じています。
毒親育ち、いい子ちゃんのサバイバーだと思い当たるあなたも、心理分析グラフで自分の状態を確認してみませんか?
グラフの結果から、アダルトチルドレン克服までの期間の目安もお伝えしています。
あなたの苦労を見える化して、そこから得られるたくさんの真実に触れて、早く安心を手に入れてください。
アダルトチルドレン専門セラピスト
林 志のぶ