こんにちは。
アダルトチルドレン専門セラピスト 林 志のぶです。
「アダルトチルドレンには努力家が多い」という記事を前回書きました。
「自分もそうかも…」そんな風に感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、そんな努力家のアダルトチルドレンたちが、
終わりの見えない努力から解放されたストーリーをご紹介します。
統合失調症の親の元、幼少期から我慢をしてきた人たち…
それまで、終わりの見えない努力を続けてきた人。
それは、親が精神的な病気を患っていた家庭で育った人たちです。
私のクライアントにも母親が統合失調症だった方たちがいました。
幼少期の日常を聞いて、私の心まで本当に重たくなったこともありました。
統合失調症は、昔は精神分裂病といわれており、
病気の症状で、幻聴や幻覚に悩まされるときがあります。
ここからは、そんな統合失調症の親の元で育ってきた彼らのストーリーを、
複数のクライアントのお話をまとめたフィクションとして綴っていきます。
アダルトチルドレンの「努力パターン」を感じていただけること思います。
恐怖に晒された家庭環境での幼少期
統合失調症の症状が出ている時の母親は、何かにとりつかれたかのように、
子どものお気に入りのぬいぐるみにはさみを突き立てジョキジョキと切り刻んでいたり、
ずっと見えない誰かと夜通し話していたり、時々見えない誰かに叫んでけんかしていたりします。
幼い心に、それはショッキングな光景で、恐怖を増幅させる出来事だったと思います。
(お化けが本当にいるんじゃないかと思っちゃいますよね)
当然、母の体調が悪いと料理や家事もできず、家の中は荒れていく一方。
仕事をしている父親も小さな子供たちにご飯を食べさせるのが精いっぱいで、家のことまで手が回らない。
その状況で育ったクライアントは、小学校低学年ですでに「うちって変?」と気が付くことがほとんどです。
安全な学校ではリラックスできるけど、下校する時間が憂うつ。
家の玄関ドアを開ける瞬間が怖い。
どんな母親が今日はそこにいるのだろう?と恐怖でいっぱい。
症状が出ていなければほっと安堵し。
症状が出ている時は、どうしてよいかわからず、
時には巻き込まれてしまい、疲れ果てていました。
”変わった家”と思われないように…幼いながらも「完璧」を演じる子どもたち
「お母さんは病気なんだから、優しく接してあげないと」
とアドバイスする大人もいます。
でも、正直・・・振り回されることも事実。
むかついてこちらがキレることだってありました。
でも病気の人に怒っても仕方ないのか・・・。
そんな罪悪感とも戦いながら、落ち着かない家の中で成長していくのです。
そのうち、そんな逆境の中で、誰にも”変わった家”のことを詮索されないように、
自分で自分のことを完璧にこなして、提出物も宿題も忘れず、
担任の先生にも心配をかけないようにものすごい気を遣っていたそうです。
「自立した小学生」が大人になった先には
ものすごく自立した小学生だと思いませんか?
でも。。。
子どもらしい子ども時代を無邪気に過ごせなかった人たちは、大人になって、そのツケが回ってくることがあります。
子どものときのほうがきちんとできていたのに、大人になってなぜ今、うまくできなくなっちゃったのだろう・・・
そうやって、ふがいない自分を責めていたりするのです。
それが、インナーチャイルドの叫びでもあります。
頑張っているのに、努力しているのに、
自分でそれを認めてあげられないだけでなく、
もっと頑張れ、もっと努力せよと自らを責める、
インナーチャイルドの叫び。
次回は、このインナーチャイルドの叫びについて、
掘り下げていきますね。
アダルトチルドレン専門セラピスト
林 志のぶ