親子関係・世代間連鎖のもつれをほどく《家族療法》

親の潜在意識下の欲求と、子供の生き方

あなたの人生は、本当はあなたの親が生きてみたかった生き方なのかも!?

セラピーの現場で、つくづく思い知らされることがあります。
それは、「あなたの生き方は、親が本当に生きたかった生き方なのかもしれない」というテーマです。

これは世代間連鎖というもののなかで、特に子どもが親の生き方と真逆なパターンを歩んでしまう場合を指します。

簡単に例を挙げると、
・ケチケチだった節約家の親元で育った子どもが、散財して浪費家になる
・性に対して厳格すぎる親元で育った子どもが、ティーンエイジャーで望まない妊娠をしてしまう
・親自身も高学歴で、学歴重視の親元で育った子どもが、中卒で職人になると言い出す。
こんなイメージです。

実は、親の潜在意識下の「本当は、こうしたかった」という欲求を
子世代が「敵討ち」することがよくあるのです。

もしくは、親の行き過ぎたシーソーの端っこに対抗してバランスを取るために、
子世代が反対側の端に行きついているわけです。

こんなに生きづらさを抱えている私の生き方が、親が本当に生きたかった姿なの?

私も先日、実体験を通して、また新たな気づきがもたらされました。

私は、不安感がとても強いです。
そのせいで、心の病にもかかりました。
周囲から自信があるように見られるのは、
そうした不安感を悟られないように、
必死に身に付けてきた役者としての姿でした。

私が幼いころの母のイメージというと、
いつもぐったりして寝込んでいる姿が真っ先に思い浮かびます。

休みの日には夕方まで眠っていて、
病気というほどではないけど、いつもしんどそうにしていました。

最近分かったことですが、母は、2歳ごろの私が起こしたある出来事がきっかけで、
今でいうパニック障害になり、長い間苦しんでいたようです。
突然、めまいや動悸、呼吸困難といった症状とともに、強い不安・恐怖に襲われ、
日常生活もままならなくなるほどの症状。
「パニック障害」という名称も無く、対処法も知られていなかった40年近く前の話です。

それを聞いて思い出したエピソードがありました。

中学時代、同級生からいじめを受けていたとき(2年間続きました)、
母から「あなたは悪くない、みんなが馬鹿だから!」とヒステリックな激励を受けていました。
周りを悪者に仕立てて「あなたは悪くない!」の一点張りの論調に、
極端さと異常さを感じて、
以降、私は母に本音を打ち明けることができなくなっていくのですが、
これも母がパニック障害を抱えていたことを思うと、合点がいきます。

潜在意識下に蓄積されていく、”未消化”の感情

少しでも不安を感じると、めまいや動悸に襲われ、数日間は調子がくるってしまう母は、
とにかく不安を感じないために、徹底的に不安を排除しようと頑張っていたのです。

そんな抑圧された「不安」の行き先はどこかといえば、「潜在意識」です。
「顕在意識」上から隠してしまった不安は、「潜在意識」下に収められます。

母の潜在意識の中には、本当はちゃんと感じて味わうことで発散されていくはずだった数々の不安が、
どんどん蓄積されていきました。
そうして母の潜在意識に降り積もった「不安」は、
娘であるわたしの生き方を支配するようになっていきます。

私は、母の不安というマグマが噴出しないための
火山口の役割をしなければならなくなりました。

そのマグマが臨界点まで達したとき、
鬱や重度のアトピー症状として噴火していたのでした。

母との関係性が変わった出来事

そうして私は、母の人生の一端を肩代わりしていただけなのだ。
そう気づいたときに、驚くような出来事がありました。

それは、私が持病の発作で高熱を出し入院したときのことでした。

熱が下がり、ようやく面会が叶った母が、
「あなたが死んじゃうかと思って本当に心配したよ。
お母さん、あなたがいなくなったらと思うと不安でたまらなくなるよ」
と、初めて「不安な気持ち」を口に出したのです。

母が「不安」に上手に向き合えるようになったのと時を同じくして、
私の周りにいつもあった「大きな不安感」がすーっと霧が消えるように薄くなっていきました。

「母の持ち物を、返せたのかもしれない」と思いました。

“母の愛”をしのぐ、子どもから親への深い愛

私が主催している家族療法というワークでも、
子どもが親の負の感情を肩代わりして、
全身全霊で親を助けようとしている様子が浮かび上がることがしばしばあります。

しかも、それを無意識で行っているのです。

母の愛は偉大だと言われますが、
私はその逆で、
子どもこそが無条件の愛で両親を助けようとして必死に生きていると実感しています。

この一件で、私自身も紛れもなくそうだったのだと、
実体験を伴って深く理解することができました。

自分ではどうにもならない心や体の病気でこれまで苦しんできた方や、
子どもに対してキツく当たってしまう自分に罪悪感を感じてきた方へ。

それはあなたのせいなのではなく、
あなたが両親や祖父母のために、
何かを肩代わりしていることが原因なのかもしれません。
だから、もう自分を責めることはやめて、
許してあげてください。

なぜなら、それもまたあなたが無意識下で行っていた、
家族を助けるための愛のあらわれのひとつだからです。

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アダルトチルドレン専門セラピスト
林志のぶ

 

 

 

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