親子関係・世代間連鎖のもつれをほどく《家族療法》

子どもは親の潜在意識を表現しながら生きている

一見傷つく言葉の裏にあるカラクリを紐解いていきましょう

 

たとえ話です。

救急車で運ばれるくらいの緊急事態で搬送された人。

救急隊から年老いた親に連絡が入りました。

「命の危険があるかもしれません。すぐに病院へ来てください!」

そういわれた親は気が動転し、夜中に慌てて病院へ駆けつけます。

その時にベッドに駆け付けた親が放ったセリフは・・・・?

「こんなことくらいで呼ばないでちょうだい!!」

ぶち切れたのです。

その頃には最初の処置が終わり点滴につながれベッドに寝ている娘。

まだ症状は予断を許さない。

なのに、ひどいですよね。

言われた人は(意識があれば)とっても傷つきます。

こんなこと・・・って、命にかかわることだったのに。

普通ならここで「ひどい親だねー」と同情して終わるところですが、

そのセリフを言わせた心理を紐解いていきたいと思います。

 

救急隊の電話で、親は動揺したのでしょう。

本気で心配したのでしょう。

駆けつけた時に娘は思ったより普通にベッドに寝ていた。

その姿を見た時に一気に安心します。

でも、すぐに心配しすぎた自分を後悔し取り乱した自分を恥じる感情が沸き起こってきます。

妄想がドラマチックでえらいことになっていたので(笑)

現実が案外しょぼーくみえてしまったのですね。

妄想通りに現実が瀕死の娘とのお別れの場面だったら、

きっと、こういう人は悲劇のヒロインになれて満足できるのでしょうね(爆)

妄想が現実化して何も齟齬が無いから。

でも、今は普通に見える娘を見て、

わたしに恥をかかせたお前が悪い!という気分が膨れ上がり、

逆恨みの怒りさえ感じて・・・?

「こんなことくらいで、呼ばないでちょうだい!!」とぶち切れたワケ。

この場合「こんなこと」の定義が世間とずれていて、

 

この話を聞いた第三者は、

こんなこと=救急車で運ばれるくらいの大変な事態と解釈しています。

セリフを吐いた本人は、

こんなこと=ベッドで普通に寝ているだけの状態と解釈しています。

手を尽くしてくれた救急隊や当直の担当医に対する感謝の心がみじんも見えないですね。

その経緯があっての”ベッドで普通に寝ているだけの状態”なんですが。

自分勝手ですね。

自分の感情のコントロールができなかったことを棚に上げ人のせいにする未熟な人です。

「親の代わりに私が逝きます」を表現している

 

そういう親に育てられた人は、親の望む妄想の通りになって齟齬の無いようにしてあげないといけないような気がして、どんどん親の悲劇の妄想通りの人生を歩み始めます。

親は妄想がいっぱい現実化して無意識の領域で内心嬉しく感じているという、奇妙な親子の人生を賭けた悪循環に入り込んでいきます。

コンステレーション(家族療法の一つで、空間に人を配置して関係性を見るもの)をしていて思うのですが子どもは本当に健気に「親の代わりに私が逝きます」を表現しながら生きています。

”逝きます”は親の無価値観や親の無意識の自殺の衝動などを取り込んでいる感覚。

実際にそれを成就させるために子どもは自殺や病気や事故に遭うことがあります。

親の潜在意識の隠れた欲求を子供の世代で顕在化するのが世代間連鎖。

本来感じてよいはずの自分自身の感情を閉じ込めたまま、親の潜在意識の欲求を叶えようと人生を賭けて奮闘してしまう。

その人らしく生きることが難しくなっていく。

自動的なプログラムによって人生を突き動かされ乗っ取られてしまう。

だから、私は機能不全な親子関係を健全化させていきたい

そこで疲弊した子どもたちに、感情のカラクリを説明してあなたのせいじゃないんだよってことを教えてあげたい。

知れば、もう怖くないということを実感させてあげたい。

気持ちの悪い引力で、その人らしい人生が台無しにされることが無いように。

自分で自分の人生を歩む選択が、軽やかにできるように。

こうやってインナーチャイルドがたくさん体の中に閉じ込められていきます。

 

いつも読んで下さり、ありがとうございます。

 

 

 

 

アダルトチルドレン専門セラピスト

林志のぶ

 

 

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